【女性コラム】『SEXできることが女のしあわせ』という概念はどうしたものか?2022 7月

いつからか流行になった「デリケートゾーンケア」。

それ自体が悪いとは言わない。
更年期に足を踏み入れるころから、私たち女子のデリケートゾーンが乾燥しやすくなるのは確かで、それによって、実際に乾燥する感じがイヤだとか、下着との摩擦が辛いだとか、そういう悩みが出てくることも確か。

だけど。

そのデリケートゾーンケアの売り出し方として、「SEXを諦めるな」的なフレーズが協調されているケースを見かけて、なんだかなぁ・・・と思う。

SEXできる女性が、SEXを諦めないでいることは構わない。
良いと思う。

私自身、SEXほど女性が「自分はやっぱり女だ」と自覚する行為はないと思っている。


実際、私のヘアスタイルはベリーショート。
性格については、何をもって男と女を分けるかは人それぞれだけれども、かなり中性的あるいは、どっちかっていうと男性的寄りと解釈されることが多い。
そんな私でも、服を脱いだらからだのつくりは女なワケで、SEXをする場合には紛れもなく受け身だ。
いわゆる、一見男性的な印象を与える私でも、服を脱ぎSEXをするとなれば、どう頑張ったって女で、女であることを’自覚せざるを得ない’し、SEXの最中は相手が自分だけを見てくれるワケで、その感覚は正直、ほかの行為では味わうことができないと思う。

だけど。

デリケートゾーンケアについて、やたらと「膣が乾きやすくなる更年期世代でも、SEXできることが女のしあわせだ」という、それはまた全く別だと思う。
正直、スッキリとした気持ちで賛同できない私がいる。

なぜなら。

世の中には、パートナーやステキな男性と素敵なSEXができたら
それはしあわせだと分かりつつ、SEXが辛い人だっている。

例えば、過去に男性が一方的に権力を握るような強引なSEXを経験した人。
例えば、婦人科疾患を起因とする癒着によって、性交痛がある人。
などなど。
SEXそのものというよりも、自身のSEXについて「辛い」という人は沢山いる。 そういう人にとって、SEXはしあわせ行為でも何でもない。
ただ、「辛い」という行為でしかなかったりする。

SEXについての解釈や概念は人それぞれだし構わないけど、「SEXできることが女のしあわせ」みたいな表現は、やっぱりなんだか疑問でしかたがない私です。


-プロフィール
上野宏子
山口県在住。
防府総合療術院院長として施術現場に立つ傍ら、婦人科スポーツ医学×NLP心理学のスキルを融合させた活動を展開。専門は「生理」。
高尾美穂氏より6年間婦人科スポーツ医学を学び、「生理への正しい理解ひとつで女性の人生は本気で変わる」と確信、生理に早くからフォーカスしたレアな存在。 音声配信アプリstand.fmを使った番組『Mission!ゴキゲン女子を増やせ!!』(旧・男女それぞれの生理への理解)では、クスっと笑えるネタを元に週2回声を届ける。番組内での不定期特別企画、『上野が本気を出すLIVE!!』では、ネガティブに捉えがちな生理・更年期や婦人科疾患、あるいは巷にある曖昧情報について、‘10000人の女子が聴いたら10000人全員に通用する’切り口から解説回答することで注目される。
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